英国紳士は行きつけのお店を持っています。そこでは手練(てだれ)の職人さんが、採寸、相談などを経て、その方にぴったりの型紙を手で線を引き、カットして作ります。熟練、と言う言葉がとてもしっくり来る世界です。かつて、Yシャツは下着として着られました。

時代を経、新しい着方が生まれ、現在の姿になるのですが、ブレザーの下に着るもので決して表立って存在するものとしては扱われないところでは、(カジュアルシャツは別として)やはり下着として扱われている、と考えることもできます。体は一人ずつ違った形をしています。腕の長さ、首の長さ、胸囲に対するウエストの比率など、骨格や筋肉の具合は細かく見ると、一人ひとり全く別ものだとも言えるのです。オーダーシャツは、その個人差を汲み取って作ってくれるので、体に無理をせずに着られるものが出来上がります。

例えば市販のシャツ、いわゆる「吊るし」は平均的な体型をモデルに作られています。シャツは胸囲を中心にサイズを選びますので、それを着て、ウエスト周りがダボダボに余っている場合、胸囲とウエストの比率が平均とは全く違うものだと言うことになります。ウエストの生地が余った結果、上着にもそのダボつきが響く場合があります。実際よりももっさりした印象になります。

肩周り、袖にも同じことが言えます。オーダーシャツを着ると、無駄が出ませんので、現代の主流であるスレンダーなスタイルにも影響しません。古き良きオーダーシャツの良さは、こういった面を見ると、現代にこそ生かされるものと言えます。